中村明日美子著『Jの総て』のあらすじと魅力を紹介!

Jの総て_サムネ

腐女子であれば知らない人がいないであろう、中村明日美子先生の『同級生』

劇場アニメ化までされている『同級生』は、もちろん甘酸っぱくていいお話なのですが、今の時代にピッタリな漫画が中村明日美子先生にはあります。

それが『Jの総て』です。

ただのBL、腐女子向けの漫画ではありません。全ての人類におすすめできる名作中の名作漫画です。

今回は『Jの総て』についての魅力や、あらすじなどを紹介していきたいと思います。

中村明日美子作のJの総てとは?

『Jの総て』は2004年~2006年頃、マンガ・エロティック・エフで連載されていた漫画です。

同じ雑誌で連載されていた作品は、古屋兎丸先生の『ライチ☆光クラブ』・志村貴子先生の『青い花』あたりが有名かもしれません。

今でこそポップで爽やかで、初夏に冷たいサイダーを一気に飲み干すような清涼感のある作品を描かれる、中村明日美子先生ですが、『Jの総て』以前の作品である、『鶏肉倶楽部』『コペルニクスの呼吸』などは結構アングラで、エロスで、耽美な漫画でした。

(私の個人的な感想になりますが、最近の中村明日美子先生の漫画よりも、昔の漫画の方が好きな身としては、アングラな雰囲気が削られてしまっていることに多少のガッカリ感は隠せません…でもダブルミンツはとてもこの頃の作品に近くてドキドキしました)

『Jの総て』は単行本が3冊出ており、「ギムナジウム編」・「ニューヨーク編」・「完結編」の3部作となっています。完結編までは、心にグサグサとナイフが刺さっていくような、落ち込むようなストーリー展開が多く、好き嫌いがすごく分かれる内容かもしれません…私はひっそりと静かに浸りたい時に、読んだりします。

Jの総て 主な登場人物の紹介

Jの総ての主要な登場人物について紹介します。

J.M.オースティン、またはJ.Sカレンズバーグ(通称:J)

幼少の頃からマリリン・モンローに憧れを抱き、自身もそうなりたいと願っている少年。(画像右)自分の性別に対して違和感を抱いており、度々女装を繰り返している。

ある事件をきっかけにミス・カレンズバーグの養子になり、彼女が理事長を務める寄宿制の男子校に編入することになる。青年期に入ると、ニューヨークで女装の歌姫として働き生計を立てていた。

ポール・アンダーソン
父と母を亡くし、叔母であるミス・カレンズバーグに育てられた。(画像左)Jより3歳年上の青年。学生の頃はJのように癖毛だったが、大人になるとストレートの髪に変わった。髪の変化と同様に潔癖で規律正しい性格から、大らかで熱い性格へと変わっている。

リタ・バーセルミ

Jの総て2巻

©太田出版
出典:amazon

ニューヨークで行き倒れていたところJに助けられ、そのまま居候兼、付き人として働いている少年のような見た目をした女性。(画像右下)
Jの人柄に惹かれ恋心を抱いている。

Jの総て 簡単なあらすじ

Jの総てのあらすじについて、巻ごとに簡単に紹介をします。

1巻・ギムナジウム編

舞台は1950年代のアメリカ。

Jが13歳の時、職を失い酒に溺れていた父親にレイプされ、その現場を目撃した母親が、父親を撃ち殺してしまう事件が起きてしまいました。

その後養子としてJを引き取ったミスカレンズバーグは、自身が運営する寄宿制の男子校にJを編入させます。そこでJとポールは出会います。二人は惹かれあい身体を重ねるようになりますが、様々な誤解や行き違いがあり、Jは学校を飛び出し行方不明になってしまいます。

2巻・ニューヨーク編

ニューヨークで女装の歌姫として働くJは自由を得たように見えますが、クラブの立て直しのために自身の身体を売り、壊れた心を更にすり減らしていきます。
とある事件をきっかけに、Jは付き人であるリタを抱いたあと、再び姿を消してしまいます。

3巻・完結編

弁護士になったポールは浮浪罪の冤罪に関する仕事を請け負うことになりました。そこで再びポールは刑務所に収監されていたJと出会い、運命の歯車が再び回り始めます。

の行きつく先、ポールの決意…愛と絶望の物語の結末と、後日談が3巻には収録されています。

Jの総て 結末のネタバレ!!
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