これぞダークヒーローの理想像!コードギアスの主人公・ルルーシュの魅力

ルルーシュ_サムネ

アニメ『コードギアス 反逆のルルーシュ』は、2006年より放送が開始され、その予想のつかない展開で話題を呼びました。その中でも、特に視聴者にインパクトを与えたのは、本作の主人公であるルルーシュ・ランペルージ

ギアスと呼ばれる絶対遵守の力を手に入れた彼は、高校生ながら、大国・神聖ブリタニア帝国を敵とした戦争に乗り出します。作中で極悪非道を繰り返す姿はまるでヴィランのようですが、 なぜか憎めない。そんな愛すべきダークヒーロー・ルルーシュは、なぜこんなにも支持されているのでしょうか。彼のダークヒーローとしての魅力に迫ります。

ダークヒーローとしての仮面

ルルーシュ・ランペルージは、神聖ブリタニア帝国に敗戦を喫し、植民地となった日本に住む高校生。頭は良いが、学校内では居眠りをするなど、不真面目な面もあります。根は優しく、妹のナナリーや、自らが所属する生徒会のメンバーをこよなく愛しています。

しかし、これは表の顔であり、名前も経歴も、その全てが嘘。たった一人の家族であるナナリーの安全を確保するための、いわば偽りの仮面なのです。

ルルーシュの正体

ルルーシュ・ランペルージの正体は、神聖ブリタニア帝国の第11皇子である、ルルーシュ・ヴィ・ブリタニア。母親のマリアンヌ皇妃が何者かによって殺されたのち、ブリタニア皇帝に政治の道具として日本へと送られてしまいました。

その後、神聖ブリタニア帝国は日本との戦争を開始。幼きルルーシュは、自分と妹のナナリーが日本にいると知りながら戦争を起こした皇帝・シャルルを憎み、自分たちの母を奪い、生活を破壊した神聖ブリタニア帝国をぶっ壊すと決意します。

ゼロとしての仮面

ルルーシュ

©サンライズ
出典:コードギアスR2 ゼロレクイエムより

後にギアスという力を手にいれたルルーシュは、ゼロを名乗り、顔や年齢、素性を全て隠したまま、日本人と反ブリタニア勢力で構成される組織・黒の騎士団を率いて神聖ブリタニア帝国に戦争を仕掛けます。その目的は、母の仇を討ち、妹・ナナリーが願う「優しい世界」を実現して、彼女が幸せに暮らせる環境を作ること。

ゼロとして生きるには、その正体を隠し通す必要があります。そのため、戦場でどんなことが起ころうと、一人で抱え込まなければいけません。自分の 罪を一身に背負い、その責任として新たな罪を背負う覚悟に苛まれながら、誰に打ち明けることもなく終始苦悩するルルーシュ。何度も絶望に打ちひしがれながら、必死にもがき足掻いて進み続けるその姿に、心打たれること間違いありません。

邪道かつスタイリッシュな戦い

ダークヒーローと称される所以でもあるルルーシュの戦い方は、よくある王道的な主人公のそれとは完全に異なります。手段よりも結果を優先するルルーシュは、目的を果たすためなら戦略を選びません。例え味方が何人死のうと、その手を血で真っ赤に染め上げようと、歩みを止めることなく突き進みます。

邪悪な力・ギアス

異能系の物語なら、主人公は王道的な攻撃を可能とする力を、正義のために行使していくというのが定石。しかし、ルルーシュはダークヒーローらしく、能力やその使い方は完全に邪道です。

ルルーシュが謎の少女と契約し手に入れたのは、ギアスと呼ばれる絶対遵守の力。これは、簡単にいえば、どんな命令にも強制的に従わせる力です。万能な力とまでは行かず、一人の人間に対し一回しか使用できなくて、発動時には直接相手の目を見る必要があるなど、ギアスの使用にはいくつかの条件や制限が存在します。しかし、それらをクリアできれば、対象者の意志とは関係なく命令に従わせることができるという、かなり邪悪な力です。

ルルーシュは、戦いの中でこの力を利用し、相手の意思を捻じ曲げて、敵味方関係なく作戦へと加担させていきます。

ハッタリと計算でキセキを起こす

コードギアスはロボットアニメですが、ロボアニメの主人公らしからず、ルルーシュがメカの機体性能で真っ向勝負することはほとんどありません。戦略こそが全てだと考えており、戦いの前には徹底的な準備をし、相手の出方に合わせて何通りもの戦略を立てた上で戦いに臨みます。特に地理的な戦略を生かした戦いを得意とし、数で圧倒的に不利な状況下でも、その計算しつくされた計画で勝利をもぎ取っていきます。

また、勝つためであれば、卑怯な作戦に出ることも厭いません。相手を騙し、ブラフをかけ、「騙される方が悪いのだ」という風に、何の躊躇もなく嘘をつきます。

計算とハッタリで、強敵・神聖ブリタニア帝国の軍を前に、次々と奇跡のような勝利を重ねていくゼロ。その姿は、敵にも味方にもカリスマ的な存在として映ります。

名言から見るダークヒーロー・ルルーシュの行動原理

ルルーシュのセリフの多くには、彼の行動原理がよく表されています。ここでは、その中でも最も重要な幾つかの名言をピックアップし、紹介します。

【名言1】私なら、悪を為して、巨悪を討つ!

ルルーシュは、第二皇女・コーネリアの騎士であるギルフォードに対し、正義で倒せない悪に対して、どうするかという問いかけをします。そして、自分なら、自ら悪を為してでも倒すと言い放つのです。

一般的なバトルものの主人公なら、悪を倒すためには正義を貫くでしょう。最近では、悪者でも殺さないというヒーローがいるほどです。しかし、ルルーシュはダークヒーローらしく、そのような考えは持っていません。

悪を倒すためならば、悪の道へと踏み込んでも構わない。ここに、結果のためならば手段を選ばないというルルーシュの真髄があります。

【名言2】それとも気付いたか? 撃っていいのは、撃たれる覚悟があるヤツだけだと。

ブリタニアの学生ながら、日本人のテロに巻き込まれてしまい、ブリタニア軍の兵士に銃を向けられて絶体絶命の状況。しかし、ルルーシュは強気で兵士に向かって、どうして撃たないのかと問いかけます。この名言は、そんな一幕で放たれたセリフです。

このセリフの裏には、「人を殺すには、殺されるだけの覚悟が必要だ」、言い換えれば「悪を為すには、それ相応の罪を背負う覚悟が必要だ」というルルーシュの思想が込められています。

【名言3】王様から動かないと、部下がついてこないだろ?

これは、友達のリヴァルから、賭けチェスでなぜキングから動かしたのかと聞かれた時の返答。

日本人のテロリストや、日本解放戦線などの組織が、ブリタニア相手に戦いを挑みながら負け越している現状。しかし、ルルーシュは王様(司令塔)の動き次第では戦局を変えることも可能であると信じています。だからこそ、ルルーシュは自ら率先して戦場に赴き、ゼロとして表に立つことで、自ら殺されるリスクを負いながら部下の指揮をとっているのです。

複雑だからこそ面白いルルーシュのダークヒーロー像

嘘に塗れた経歴を持ち、大義のためなら嘘をよしとするルルーシュ。その嘘で塗り固められた本性はとても複雑で、数あるダークヒーローの中でも最も面白いキャラクターの一人に仕上がっていると思います。その全てを理解するには、アニメの冒頭から最終回まで気を抜くことなく全神経を集中させなければいけません。

コードギアスを見たことが無い人も、視聴済みの人も、ルルーシュのダークヒーローとしての姿に焦点を当て、その魅力をその目で確かめてみてはいかがでしょうか。

投稿者プロフィール

hideki
hideki
コードギアスが大好きな現役大学生。
アメリカに留学中で海外にアニメ好きの友人が多数。
趣味はバスケットボールと映画鑑賞で、幼い頃から大のゴジラファンである。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です