漫画やアニメの実写映画化が非難される昨今ですが、全てが失敗に終わるわけではありません。
特に、佐藤信介監督の実写化作品は非常にクオリティが高く、「いぬやしき」や「アイアムアヒーロー」など成功例も多数 。
今回は、そんな佐藤信介監督の魅力に迫り、 なぜ佐藤監督の実写化作品は期待ができるのかを、実写版「BLEACH」の情報と合わせて語り尽くします。
佐藤信介監督の人物像
佐藤信介監督は、広島出身の映画監督。
アクション系のSF映画を得意とし、脚本家としても活躍しています。
佐藤信介監督の代表作品
これまで「GANTZ」二部作、「図書館戦争」シリーズ、「アイアムアヒーロー」、「いぬやしき」などを監督してきました。
また、松本潤主演のドラマ「ラッキーセブン」ではシリーズ構成・演出として参加しています。
もっと評価されるべき映画監督
佐藤監督は、映像化不可能と言われてきた「GANTZ」二部作の公開で一躍有名になりましたが、未だ知名度が実力に見合っていないという印象があります。
しかし、邦画でアクションといえば必ず「GANTZ」を始めとする監督作品があげられるほどアクションには定評があり、ゾンビ映画「アイアムアヒーロー」やSF映画「いぬやしき」を見れば分かるように、邦画とは思えないほどのリアルなCGを使うことでも有名です。
もはや、佐藤監督が邦画のアクションを支えていると言っても過言ではないでしょう。
実写版いぬやしき 初号試写に行って来ました!
木梨憲武さんと佐藤健さんはじめキャストの皆さんはきっちりはまってたし、邦画でこれほどのアクションは無かったと思う。マジで佐藤信介監督はハリウッドの一線級の監督とセンスでタイマンはれると確信した!いぬやしきはラッキーな原作だ!— 奥 浩哉 (@hiroya_oku) February 6, 2018
得意なテーマは「現実」と「非現実」の融合
佐藤信介監督が得意とするのは、ありきたりな日常の中に突然非日常的な出来事が起こるという作品。
このテーマは「GANTZ」、「アイアムアヒーロー」、「いぬやしき」、そして現在公開を控えている「BLEACH」の全てに言えることです。
完全なSFでありながらどこか現実味があり、映画を見た後に、こんなことが自分の身にも起こるのではと思わせるのが、佐藤監督の作品の特徴です。
圧巻のCG技術
佐藤信介監督の映画といえば、何と言ってもCGの映像美です。
そして、その秘密は監督のCG製作の経験と、常に新しいものを追求する姿勢にあります。
監督はCGの限界と活かし方を知っている
佐藤信介監督は、ゲームのオープニングムービーの他、多種多様なCGムービーを過去に製作しており、CGの使い方を熟知しています。映画製作においては、その経験を活かして、それぞれのシーンをどのようにCGで再現することができるのか、カットごとに考えているそうです。
昨今邦画ではチープなCGがよく見受けられますが、その中で佐藤監督が毎度ハイレベルなCGによる映像を製作することができるのは、監督が今のCG技術で「できること」と「できないこと」の境目を知っているからなのです。
挑戦を続ける姿勢が驚きのCG映像を生む
それまでにないCGを見せ、観客を圧倒した「GANTZ」二部作でしたが、その後も佐藤監督は毎度CGの限界に挑戦しています。最新作の「いぬやしき」では、日本ではまだ使用されたことがない最新の技術を使って、木梨憲武さんをフルCGで描き、原作の機械化した人間を見事に再現していました。
現状に甘んじず、さらに上を目指し続ける監督の姿勢こそ、佐藤監督がどの映画にも負けないCG映像を作り続けてきた一つの要因なのです。
監督の強力な味方:デジタル・フロンティア
佐藤監督の映画でCG製作を担当するのはデジタル・フロンティアというCG会社。「デスノート」の死神を実写化したことで有名です。最近ではフルCG映画「GANTZ:O」を製作し、その映像美で世界の観客を驚かせました。
徹底した“リアル”な撮影
佐藤監督の映画の見どころは、CGだけではありません。映画を見ているときは、リアリティを追求したハリウッド並みのCGに目が行ってしまいがちですが、それが活きるのは、CGに頼らない、極限まで挑戦し尽くされたロケーション撮影があるからなのです。
徹底的なロケ地選び
佐藤監督のロケ地での撮影は、詳細な撮影プランと入念な下調べから始まります。一つ一つのカットで、撮影に適したロケ地はないのか徹底的に調べ、自ら現地に赴いてテスト撮影を行います。そのような事前準備があるため、現地でどのようなカットを撮りたいかは撮影以前に全て決定していて、ロケ現場で急に何かを変更することは全く無いといいます。
大規模なロケ
大規模なロケ地を使用しての撮影は、佐藤監督の作品の醍醐味でもあります。
「GANTZ」を撮影したときには、商店街や駐車場、さらには地下鉄のホームを貸し切って撮影を行いました。特に商店街のシーンでは大迫力の爆発シーンが印象的ですが、それらは全てCGではなく実際にロケ地で撮影されています。地下鉄のホームも、実際のものでないとリアリティが出せないということで、セットを作るのではなく、本物のホームを貸し切ってロケを行うことに踏み切ったそうです。
「アイアムアヒーロー」の撮影では、静岡県浜松市の街一体を封鎖してのロケを決行。冒頭の街にゾンビが溢れ出す大迫力の映像が完成しました。激しいカーアクションも、CGではなく韓国の未開通の高速道路を使用して撮影。邦画とは思えないような見事なカーアクションを実現しています。
さらに、韓国のアウトレットモールの装飾を一新し、日本のアウトレットモールへと変貌させての大規模な撮影も行いました。このように、CGに頼り切るのではなく、できる限り本物を使って撮影するという佐藤監督の撮影法が、リアルな映像製作に結びついているのでしょう。
映画「BLEACH」に期待大!
7月20日公開の映画『BLEACH』は、連載終了してまもない同名の週刊少年ジャンプの人気漫画を初めて実写映画化した作品です。
久保帯人先生が原作のこの作品は、高校生の黒崎一護が、死神・朽木ルキアとの出会いから死神になり、虚(ホロウ)と呼ばれる普通の人間には見えないものと戦うというもの。
佐藤監督の、CGとロケを組み合わせて徹底的にリアリティを追求するという姿勢は、今作「BLEACH」でも変わりません。監督は、CGで 虚を実写化で再現することに注力したと言及しており、予告映像に映る虚は、「日本のCGはここまできたか」と言わせるような素晴らしい仕上がりになっています。
さらに、「BLEACH」の撮影では特大のオープンセットを埼玉県某所に用意し、原作に登場する一護たちの住む街・空座町を雰囲気そのままに完全に再現しています。そんな豪華なセットで撮影された、一護たちの大迫力の戦闘シーンは必見です。
まとめ
毎年何本もの漫画やアニメが実写化されていますが、成功例はほんの一握り。そんな中で、佐藤監督は立て続けに実写化映画を成功させており、実写化に期待ができる監督です。
次回作である「BLEACH」の実写化ではどんな映像を見せてくれるのか、期待して公開を待ちましょう。
投稿者プロフィール
- コードギアスが大好きな現役大学生。
アメリカに留学中で海外にアニメ好きの友人が多数。
趣味はバスケットボールと映画鑑賞で、幼い頃から大のゴジラファンである。
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