クールジャパンの代名詞とも言える日本のアニメ文化。欧米や中国だけでなく、東南アジアでもその人気と知名度は計り知れません。
特にフィリピンは新日ということもあり、日本のアニメ文化がかなり浸透している国です。最近ではバランガイ143というフィリピン初のアニメ作品が製作されており、フィリピン国内でアニメを商業にしようという動きも感じられますからね。
筆者は学生時代にフィリピンに2年ほど滞在していまし他が、フィリピン人とはアニメで通じ合えます。それほどフィリピンにはアニメ好きが多いのです。これからフィリピンに行かれる方は、人気のアニメを知っておくだけで会話が弾むことでしょう。
今回はフィリピンのアニメフェスティバルにも参加した筆者が、フィリピンで人気のアニメや、最近フィリピンで人気が出ている日本のアニメ作品について紹介したいと思います。
フィリピンでは日本のアニメが大人気
アニメ見ながら残務片付けてたらcrewから「Chuni-byo sir ?」と聞かれた(^^;
布教してないのになんでこんなアニメ知ってるん!?って聞いたらフィリピンでも有名らしい(^^;ダークフレイム~とか言っていたのでガチ。一般の日本人よりフィリピン人の方がアニメに詳しいのではないか(^^; pic.twitter.com/xN29tArjfj
— UT@海水の塩分濃度高い (@KOHO_I) 2018年9月19日
筆者は東南アジアの国々を旅していましたが、フィリピンはダントツで日本のアニメ好きの国です。飲み屋に行けばテレビで日本のアニメが放映されてるし、パブに行けば日本のアニソンが歌われています。(本当です)
現地の友人曰く、小さい時からテレビで日本のアニメが放映されており、日本のアニメを観るのが当たり前の環境で育ったから と言っていました。マイナーな作品もインターネットで視聴し、学校で友達と感想について語り合うのが日課だそうです。
私が滞在していた時にはセブ島で「オタクフェス」というコスプレイベントが開催されていました。若者を中心に数千人が参加しており、日本のアニメ人気の高さが伺えます。
フィリピンの人気アニメランキング~全年齢編~
それでは早速、フィリピンで人気のアニメ作品について紹介していきます。フィリピンの留学に行かれる方は、以下のアニメを押さえておくだけで会話が弾むと思いますよ!
フィリピン人気アニメランキングの前に、世界的に圧倒的な知名度を誇る以下の3作品についてはあらかじめ除外します。
殿堂入り作品たち
- ナルト
- ワンピース
- ドラゴンボール
上記の3作品は言わずもがな、ほとんどの方が知っている人気アニメなので言及しません。
フィリピンのアニメ好きの人から「なんのアニメが好き?」と聞かれてた時に上記の作品を答えるとがっかりされるので、迂闊に口走らないようにしましょう笑
それでは、フィリピンで人気のアニメを紹介していきます!
ボルテスV(ボルテスファイブ)
フィリピンのテレビで朝からボルテスVを見て、噂は本当だったのかと感動した思い出 pic.twitter.com/8rEE3LduBG
— はる (@haruharumebuki) 2018年9月13日
フィリピンの国民的アニメであるボルテスV。ほとんどの日本人は名前すら聞いたことがないかと思います。
日本では1977年~78年の間に放映されたロボットアニメですが、フィリピンでも1978年より国営放送で放送されました。しかも時間帯は金曜日の18:00~18:30というゴールデンタイム。当時フィリピン国内で放映されていたアニメはアメリカの作品で、ボルテスVは日本のアニメのクオリティを初めて見せつけた作品になったのです。
フィリピンの子供たちはボルテスVに大熱狂、またたく間に人気アニメになりました。最高視聴率58%だったようです。
フィリピンでは、国会でも取り上げられたくらい、ボルテスVの認知が高いんだよな。https://t.co/p8sBVVUeyP pic.twitter.com/Y7V4Ik9esT
— 見城 太郎 (@t_ken_jo) 2018年9月11日
しかし、子供たちからの人気とは裏腹に、大人たちからは「暴力的なアニメ」と反感を買い、抗議運動が勃発したのちに1979年に当時のマルコス政権が放送中止を宣言。最終話直前に放送が打ち切られました。(ひどすぎるw)
マルコス政権が倒れた1986年に最終話が放映され、1999年からアニメの再放送が行われると、またしても最高視聴率40%を超える爆発的な人気を記録。
前述のいざこざもあったことから、老若男女が知る人気アニメになったのです。筆者はボルテスVを見たことがありませんが、主題歌だけは歌えます。ボルテスVが歌えるとフィリピンパブでモテモテになるので、男性諸君は日本で練習してから行きましょう。
スラムダンク
フィリピンではいつ来てもスラムダンクが見れる。ホッとする。 pic.twitter.com/9rkoLqWrOq
— フィリピン Ermitan-X (@manilanlan) 2017年9月5日
フィリピンではバスケットボールが国民的人気スポーツのため、バスケを題材にしたスラムダンクはフィリピンでとても人気なアニメになっています。スラムダンクも現地のフィリピンの言語であるタガログ語でテレビ放映されており、現地の20~30代の若者はスラムダンクを見て育ったと言っていました。
筆者は語学留学に行っていた時の女性講師がスラムダンクの大ファンらしく、ひたすら好きなキャラクターについて熱弁されました。(流川が人気のようです)
見たことなかったから適当に相槌をしていたらなぜか怒られました。
幽遊白書
フィリピンのマニラで撮った、乗合タクシーみたいな車に書かれてた幽遊白書の絵。
気持ち4人とも目が死んでる。特に飛影のやる気のなさが目立つ。 pic.twitter.com/MKxXHvhOU4— ほってぃ (@bdg12th) 2014年7月13日
幽遊白書もフィリピンで人気のアニメの1つです。英語・タガログ語でテレビ放映されていたことあり、「名前は聞いたことある!」という方が多かったですね。語学学校にいた時はほぼすべての先生が幽遊白書を知っていました。このあたりも知っているとアニメの話で盛り上がれるかと思います。
SamuraiX(るろうに剣心)
【REPORT】『るろうに剣心』携えた佐藤健、フィリピンの「熱気に圧倒された」 http://t.co/jfBfUfLfNb #るろうに剣心 #フィリピン #佐藤健 #武井咲 #青木崇高 pic.twitter.com/ANx2UVzmpm
— シネマカフェcinemacafe.net (@cinema_cafe) 2014年8月8日
海外で人気のあるるろうに剣心ですが、英名はSamuraiX(サムライエックス)です。
フィリピンでも「SamuraiX」という名前で認知されています。アニメも人気ですが、2012年、2014年に現地でるろうに剣心の映画が放映され割とヒットしたため、それもるろうに剣心の認知度をあげる要因になったそうです。
ちなみに筆者が初めてフィリピンに渡航した時に、丁度るろうに剣心の映画がやっていたためフィリピンの映画館で観てきました。フィリピンの映画館は日本円で400円程度で観れるので、観たい映画が上映されていたら観に行くのもアリですね。日本の映画は基本的に吹き替えなしで英語字幕なので日本人にも楽しめます。
映画の効果もあり、るろうに剣心は今の若者からも人気の高いアニメになっています。
ハンターハンター
フィリピンのホテル。アニマックスのハンターハンターを英語字幕で放送してた。ちなみにホテルからの景色がスゲー良い pic.twitter.com/3VXY7sGB4Q
— かげっち@足痛 (@KG_tt) 2013年6月11日
ハンターハンターもフィリピンではかなり人気にあるアニメです。
ハンターハンターはフィリピンでは英語・タガログ語でテレビ放映されており、一般人の認知度はかなり高い作品と言えます。筆者がフィリピン滞在中によく言っていたレストランではいつもハンターハンターがテレビに映っていました。 さすが、世界的に人気なこともあありますね。
フィリピンの人気アニメランキング~若者向け編~
フィリピンの若者は日本人以上に日本のアニメ作品が大好きです。筆者もフィリピン人の友人が何人かいますが、知らないアニメ作品について熱弁してくるので毎回凄いな~と感じます。(こなみ)
フィリピンの若者に人気の最近のアニメ作品をピックアップして紹介したいと思います。
進撃の巨人
フィリピンでも今週から公開の日本映画「進撃の巨人」を見てきました。日本語音声・英語字幕。
酷い出来という日本からの評判をたくさん聞いていたので、思ってたほど酷くなかったです!#セブ島 #フィリピン #進撃の巨人 #フィリピン留学 pic.twitter.com/9kQaqI3DpR— 茂内克彦@セブ島フィリピン留学・翻訳 (@shigecebu) 2015年8月16日
日本のみならず世界でも人気の進撃の巨人ですが、フィリピンの若者にも人気のアニメになっています。英名の「Attack on Titan」で認知されていますが、進撃の巨人でも割と通じるフィリピン人が多かったですね。
実写映画も現地の映画館で上映されましたが、フィリピンのファンからの評価はあまり良くないそうです笑
デスノート
窪田正孝&山崎賢人「デスノート」、120か国以上で海外放送&配信決定! https://t.co/c0OKWxCj0U #窪田正孝 #山崎賢人 #デスノート #優希美青 pic.twitter.com/e4jEQYeYvv
— shintaka0905 (@shintaka66) 2018年5月15日
全世界に熱狂的なファンがいるデスノートですが、フィリピンでもその認知度と人気は高く、「もちろん知っているし観たよ !」という人が多いです。
海外のアニメファンは日本人以上に「ストーリーの奥深さ」に敏感な気がしますが、フィリピン人もデスノートの心理戦の描写が大好きらしいですね。とある腐女子のフィリピン人が「夜神月は私のhusband」と言っていた時は笑いました。
あとフィリピンでデスノート見れるらしい pic.twitter.com/nGbs8dAOPo
— しおさん( ᐛ) (@manamiaihai) 2017年3月20日
ソードアートオンライン
セブ島のアヤラモールにアニメショップがあってそこにSAOコーナーがあって感極まってる!!!
フィリピンにまで人気があると思うとほんと嬉しい!! pic.twitter.com/YuntSVGVzm— めぐき (@megusuper) 2016年4月24日
日本の若者にも人気のソードアートオンラインシリーズ(SAO)もフィリピンの若者に人気のアニメです。
筆者はフィリピンの高校でボランティア活動をしており、良く学校にお邪魔する機会があったのですが、アニメの話題になると必ずと言っていいほどSAOの話が出てきました。中高生を中心に人気の高いアニメですが、30~40代のフィリピン人は知らない方が多い印象でした。
4月は君の嘘
フィリピンの知り合いから日本の映画見たよーってきたから何?って聞いたら君嘘実写版だった。その人はたまたまアニメを先に見ててアニメのほうがいいよって言ってくれたけど、映画しか見ない人多いんだろうな
アニメか漫画でもっとじっくり楽しんでほしいという本音 pic.twitter.com/nD088OM5Iu— ぽんちょ (@poncho_pro) 2016年12月9日
少し意外かもしれませんが、4月は君の嘘もフィリピンのアニメ好きには人気のあるアニメ作品です。
語学学校の先生や、現地の高校の生徒に好きなアニメを聞くと、「4月は君の嘘」の名前が多く出てきました。口コミで広まって人気になったのでしょうか。
薄情だと言われる筆者でさえ最終話では涙を堪えきれなかった4月は君の嘘ですが、フィリピン人にも感動は伝わるらしく、「何度も号泣した。あんなに感動した作品はない。」と言わせるほど。
ちなみに実写映画はフィリピンの映画館でも上映され、筆者がフィリピンに滞在している時にちょうどやっていました。観にはいきませんでしたが、実写映画に関してはそこまで評判になったわけでもないそうです。
はたらく細胞
まさかの海外で「はたらく細胞」人気❗捕まえ上手なIKE! #IKE pic.twitter.com/B9OvcOZmIC
— a-mu★ (@imamu_amu) 2018年9月22日
「はたらく細胞」日本で2018年の7月から放映が開始したアニメ作品です。
細胞が擬人化されて描かれる独特なテーマが特徴の「はたらく細胞」も2018年現在フィリピンのアニメファンの間でとても人気になっているアニメ作品です。
海外のアニメファンはこういった独特な設定というか、少し教養が詰まっている作品を好む傾向にある気がしますね。擬人化された細胞のデザインがすごく可愛いのも受けているポイントでしょうか。
ヴァイオレットエヴァーガーデン
コミケで見た、ヴァイオレット エヴァーガーデンの広告。背景の絵も凄そう、やはり海外に巡礼とかもあるのかしらん。 pic.twitter.com/iliHN2kpo8
— take (@take_k39) 2017年8月16日
ヴァイオレットエヴァーガーデンは日本で2018年1月~4月まで放映されたアニメ作品です。
代筆屋の少女を中心とした群像劇で、第5回京都アニメーション大賞で大賞を受賞したアニメ作品になります。日本でも公開前から「名作の匂いしかしない」と期待されていましたね。
フィリピンのアニメ好きな若者にはキャラクターのデザインや世界観が絶賛されているようで、「今まで観てきた映像作品の中でNo1だった」というフィリピン人もいました。肝心の筆者はまだ観ていなかったため、その感想について何もフィードバックできなかったのが悔しかった。いずれにせよ、すごく良い作品らしいので一見の価値ありかと。
君の名は。
海外の声を聞いてきました
ジブリ人気が根強いフランスで「君の名は。」はどう受け止められたか フランス人編集者・ジャーナリストに聞いてみた https://t.co/D3BBcdqMwd @itm_nlabentaから pic.twitter.com/PPkkiHrW7t
— ねとらぼ (@itm_nlab) 2017年4月22日
「君の名は。」は、アニメに詳しくない日本人でも知っている新海誠監督の大ヒット作ですよね。
日本での大ヒットの話題はフィリピンでも評判になり、2016年12月にフィリピンでも上映がされました。筆者はこの時もフィリピンに滞在していたため、現地の映画館で視聴してきましたが、日本ほど客入りはよくないように感じましたね。
吹き替えはされず、英語字幕のみだったため、日本語独特の言い回しが通じるか気になりましたが、外人にも結構ウケるシーンは受けていました。(巫女の口噛み酒のシーンはあまり受けていませんでしたが)
映画が終わると、観客がスタンディングオベーションで拍手をしていたのがすごく印象的でしたね。フィリピン人にも君の名は。の面白さが十分に伝わったようです。口コミでじわじわと評判が伝わっていったようで、「名前は聞いたことあるよ!」 というフィリピン人が多いです。
フィリピンで人気のアニメを事前に確認しておこう
ここまで紹介したフィリピンで人気のアニメ作品ですが、渡航前に確認しておきたい方には動画配信サービスを使っての視聴をおすすめします。
海外の動画サイトなどで頑張って探せば無料でアニメを探せるかもしれませんが、手間がかかる上に「映像が荒く、声のピッチが変更されている」ことが殆どです。
dアニメストアであれば、月額400円でアニメを約3,000作見放題のため、アニメ好きの方は登録必須のサービスです。
初回31日は無料で利用できるため、フィリピンに渡航前に人気のアニメをおさらいしておきましょう!
フィリピン初のアニメシリーズもチェックしておこう!
#Barangay143 Julie’s character Vicky is the one in purple tama ba? pic.twitter.com/iqJvmYfNYN
— The Fanart Factory (@fanartfactory) 2018年7月17日
フィリピンで人気の日本アニメについて紹介してきましたが、最近ではフィリピン国内でアニメ作品が作られるなど、フィリピン国内でアニメを産業にする動きが出ているようです。フィリピンでは2018年10月からバランガイ143というアニメシリーズが放映予定で、その盛り上がりが予想されます。
バランガイ143についてはこちらの記事をご覧ください。
まとめ
フィリピンで人気のある日本のアニメについてまとめてみました。基本的に、日本で人気のアニメは少し後になってフィリピンでも評判になる傾向がありますね。
語学学校にいる先生は日本の文化が好きという人が多く、日本のアニメにも詳しいため、アニメの話題で結構盛り上がれる思いますよ。
マニラやセブ島などの主要な都市には日本のアニメ文化に注目した商業施設やカフェがあるため、気になる方はぜひ立ち寄ってみてはいかがでしょうか。
投稿者プロフィール
- 読書が趣味の20代♂。留学中に日本のアニメ文化が海外で広く愛されていることを知り、アニメの世界にのめり込むように。あえてマイナーな作品を見るのが好きです。現在はフィリピンに滞在しています。
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